東日本大震災から85日目……
朝から、喜多見の公民館でひとり古典の稽古をする宇夫方路。終わる頃を見計らって、ボクも公民館へ。
「もう少し待って、間もなく終わるから……」
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古典なんて、さっぱりわからない。ごろんと横になって天井を眺めていた。

「真鶴(まじるー)の祈り」
そうじゃないな、古典だろうが新作だろうが、踊りのことはさっぱりわからないのだ。それなのに、高山正樹が構成だという。構成って何なのだろう。

「そこからそっちへ歩く意味がわからない」
「視線の位置の問題じゃない、ちゃんと周りの世界を見てくれればいい」
「最後の入羽の歌のどこかに、さりげなくカチャーシーのモチーフを入れてくれないか」
「できるなら、稲穂を拝み掲げることはしないで欲しい。伝えたいのは神への感謝ではない。未来と、それに向かう個人の意思なのだ。たとえ神が不在だとしても、人は希望を見つけて祈ることができる。大切な大切な一本の稲穂を、しっかりとその手に抱えながらさ。」

先生方に従って「東日本大震災被災地支援チャリティー公演」とした。「収益金の一部」などという常套句。いったいいくら寄付できるのだろう。「赤字だったので」などというペテンは許されない。ということは、僕の意思だということか。80人からの方々が関わる公演となった。しかし、けっこう孤独なのである。
「僕はさ、今回の震災に、密かに沖縄のことを重ね合わせているんだ」

事務所に戻って、急いで最終の告知記事を書いた。
 ⇒http://lince.jp/hito/kokuti…

そして新百合ヶ丘での最後の稽古に顔を出す。カルチャーの生徒さんたちも、地謡さんも、沖縄の先生方も、全員集まる。僕は舞台監督助手か、大道具か、楽屋係か、金庫番かみたいな顔をして稽古場の隅に座っていよう……

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【この日の夜呟いたこと】

22:32
明日のリハがさっき終わった。手前味噌だが、相当おもしろい。最近国立劇場や三越劇場あたりで観た琉球舞踊関係の公演よりずっといい。夜はまだけっこう空きがある。みんな来ないかなあ。

22:37
親父の傍で三線を弾いてみた。そしたら親父はびっくりするほど目を開いてこっちを見た。親父を家に連れて帰ってきてよかったと思った。これから二日に一度くらいは親父の傍で三線の練習をしようと決めた。あと何回、親父に三線を聞かせられるだろうか。