東日本大震災から26日目の夜……
本日も夜は山猫合奏団の練習。
新作“オツベルと象”。
 ⇒公演案内

白石准は、練習の度に、大量に楽譜を差し替える。
null
もう大変。

決算月なのに。
市民劇もあるのに。
琵琶も練習しなければいけないのに。

「いろいろなことが津波のように押し寄せて」
しかし、3月11日以来、この慣用句は使いずらくなった。

桑田佳祐の“TSUNAMI”も、ネットで騒がしい。

もう何年も前、上田正樹がライブのトークで、 “TSUNAMI”を歌う桑田佳祐を、とてもひどく批判をしているのを、BSのテレビか何かで観たおぼえがある。僕は特に桑田佳祐のファンでもなんでもないが、その時から上田正樹が嫌いになった。こんなことはブログで言うような話ではない。しかし、今だから敢えて言おうと思った。

しかし、プロデューサーとして、今度のしんゆり芸術祭で“オツベルと象”を上演することについて、考えるところがないわけではない。

さあ、もうみんな、嵐のように林の中をなきぬけて、グララアガア、グララアガア、野原の方へとんで行く。どいつもみんなきちがいだ。小さな木などは根こぎになり、藪や何かもめちゃめちゃだ。グワアグワア、グワアグワア、花火みたいに野原の中へ飛び出した。それから、何の、走って、走って、とうとう向うの青くかすんだ野原のはてに、オツベルの邸の黄いろな屋根を見つけると、象はいちどに噴火した。

その時はちょうど一時半、オツベルは皮の寝台の上でひるねのさかりで、烏の夢を見ていたもんだ。あまり大きな音なので、オツベルの家の百姓どもが、門から少し外へ出て、小手をかざして向うを見た。林のような象だろう。汽車より早くやってくる。さあ、まるっきり、血の気も失せてかけ込んで、「旦那あ、象です。押し寄せやした。旦那あ、象です。」と声をかぎりに叫んだもんだ。

間もなく地面はぐらぐらとゆられ、そこらはばしゃばしゃくらくなり、象はやしきをとりまいた。

そのうち、象の片脚が、塀からこっちへはみ出した。それからも一つはみ出した。五匹の象が一ぺんに、塀からどっと落ちて来た。オツベルはケースを握ったまま、もうくしゃくしゃに潰れていた。早くも門があいていて、グララアガア、グララアガア、象がどしどしなだれ込む。「牢はどこだ。」みんなは小屋に押し寄せる。丸太なんぞは、マッチのようにへし折られ、あの白象は大へん瘠せて小屋を出た。「まあ、よかったねやせたねえ。」みんなはしずかにそばにより、鎖と銅をはずしてやった。


これ以上、僕は何を申し上げることもない。ただ、決して能天気でいるわけではないということだけはお伝えしておきたいと思っている。

そして……

グララアガア、グララアガア、その恐ろしいさわぎの中から、
「今助けるから安心しろよ。」やさしい声もきこえてくる。


僕は今回の公演で、ひとりひそかに被災地の方々を思って祈ろうと思っているのである。
たとえ、他のメンバーがどう思おうとも。

サンタマリア