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9月16日金曜日: 結局収穫して食うのか

《9月16日(金)-1》
大震災から190日目……
昨日からはじめた事務所の外の空間線量測定。
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0.07μSv/h……
昨日より0.02高い値、これがいったい何を意味するのか。

収穫。
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やはり気になって、室内も調べてみた。
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昨日より0.01高い。よくわからん。

僕は、食べようと決意した。
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作ったものを食べずに廃棄するという決断が如何に難しいか、よく分かった。土の表面のγ線を測定して、それでたいした数値は出なかった。
 ⇒「安価」の線量計でできること【DoseRAE2】
それだけの曖昧な「安心」で、食べることにしたのである。

事務所も変わりつつある。
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健康ゲームを、また始めようと決めた。
空間に漂うα線とβ線核種は確かに気にはなる。だが、現状それを恐れて体を動かさないほうが、僕の場合、確実に死期が早まると判断した。
手始めに、線量計を持って、歩いて自宅まで帰ることにした。
線量計は0.1μSv/hから0.12μSv/hくらいをフラフラする。だがこの線量計は揺らすと正確に測れない場合がある。だから気にしないで歩く。

多摩川の橋の真ん中に東京都と神奈川県の境がある。そこで立ち止まって、しばしジッと線量計を見つめていた。すると数値は、やがて下がって0.08μSv/hに落ち着いた。
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橋を過ぎて、右に折れる。あの多摩の横山と多摩川の間を歩くのである。
途中、電気工事をやっていた。通り過ぎて、ふと思い立って振り返って写真を撮った。
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関電工か。東京電力系の企業らしいが、大きな会社だ。

数日前のことである。自宅に青い作業服を来た男性がチラシを持って営業に来た。家の周りの木の枝の剪定をするという。
「木の葉に付着した放射線の測定も一緒にするってことにしたら、結構仕事入るんじゃないの」
と、半ば僕は本気で提案してみた。
「そういう方が結構いらっしゃいます。あの、この作業着、見るかたが見ればすぐ分かることなんですが、実は東電の下請け会社なんです。いつもは電線に掛かる木の枝などを処理する仕事をしているのですが、あれ以来仕事が来なくなってしまって……」
「つまり、原発処理にお金がかかるってこと?」
「そうなんです。で、私たち、こういう仕事ができるもんですから。でもなかなか東電関係には厳しい方が多くて、放射線の測定なんてとんでもありません。」
「あなた方のような会社の人たちが声を上げたら、何か変わるかもしれないのにねえ」
「そうかも知れませんねえ」
たぶん、彼らには放射線を測る資格も技術もない。また、もし仮に高い線量と分かってしまえば、勝手に伐採して処理するなんて出来なくなるのだろう。低線量だったとしても、少しでも汚染されていればゴミとして捨てることを、きっと市民が許さない。つまり、放射線を測らないことで彼らの仕事は成立しているのだ。

また僕は歩き始めた。左側に広がる森。
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ここがずっと気になっていた。低い森だが、北からの風が当たって、ここにたくさんの放射脳を撒いたのではないか。
 ⇒http://lince.jp/hito/wasurete…
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0.08μSv/h……
結局、こんな線量計で、目に見えぬ敵を追い詰めるなど、どうやら不可能らしい。

「ネットの喧騒がウソなのだ。そんなものに惑わされることなく、安心して暮らせばいい。線量計が示す値が、そう語っているのだから」

そんな言葉を信じてしまえば、とっても気楽だろうなと思いながら、僕は歩き始めたのだ。

と、聞こえてくるこの喧騒は……
アブラゼミ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、蜩(ひぐらし)、そいつらが一斉に鳴いている。こんなおかしなことが今まであっただろうか、と、一生懸命に数十年間の経験をたどってみるのだが、思い出そうとすればするほど、音というひ弱な記憶は錯綜し、とうとう耳鳴りと全く区別がつかなくなってしまったのだ。

9月14日水曜日: 間もなく収穫かな……


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今年は、細やかな栽培日記が書けなかった。というより、今年のゴーヤーが、なんだか大雑把な成長の仕方なのである。
一斉に生ったゴーヤー。
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収穫も、そう遠くはなさそうだ。
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しかし、足元はもう枯れ始めている。
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何だか妙だ。
植えるのが遅かったためか、あるいは……
大震災から188日目だということ、忘れてはいない。


車でいったん帰宅。色々と整理しなければならないことがある。健康ゲームをしていた頃は、こういう時は自転車を使ったのだが、どうもそんな気にならない。別の意味での健康ゲーム。いやゲームじゃないな。

夜、戻って沖縄語の勉強会。
 ⇒“喜多見で沖縄語を話す会”の専用ブログ記事


9月 3日土曜日: 東京観光

(※この記事は9月16日にアップしました。)
大震災から177日目……
こんなことでもなければ、築地になんかなかなか行かない。
被災地応援セール……
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歩いたのは場外だけだったが、産地なんて誰も気にしている風はない。粋のいい男たちは、放射能だかなんだか知らねえが、そんなことガタガタ言う奴は相手にしちゃあいられねえ、とでも言いたげなのだ。土壌汚染のことがあって、みんな移転に反対しているはずなのに、放射能については無頓着に見えた。もしかすると、ただ保守的なだけなのか。僕はもう、一生築地には来ないかもしれないと思った。

「お勧めの店、ないかな」
僕は、遥々沖縄からやってきた家族のために、気のよさそうなおじさんを探してソッと聞いてみた。
「表通りじゃなくてね、あそこの中入ってさ、カウンターだけの店、間違いないよ」

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先客には若い女性も何人かいた。かく言う僕も、息子と娘とを連れてきているわけなのだが。

「地震以来外人がさっぱり来なくなっちゃいましたねえ」
なんで?とは聞かなかった。

「ごちそうさま」
また来るよ、とは言えなかった。

こんなことでもなければ、東京タワーなんかもう一生昇らなかったろう。
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「スカイツリー、見える?」
「見えた見えた」

毎時0.08マイクロシーベルト。
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最低でも3分くらいじっとしてなきゃ計れない。たくさんの人が僕の脇をすり抜けて行ったが、誰も気にする人などいなかった。まあ、それで正しいんだけどね。今、問題なのはγ線の空間線量ではなく、漂うα線とβ線と、食べ物による内部被曝……

「今日は最後の晩、何食べる?」
「大きなスーパー行って、沖縄にはないもの、買い込みましょう」


高山正樹 Masaki Takayama
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