おきなわおーでぃおぶっくの“儀間進のコラムを読む”の制作がいよいよ始められそうです。
そのご報告をするために、儀間進さんとお会いしました。
17:00
儀間先生はパソコンをお持ちではないので、最近高山正樹が書いた儀間先生についての記事やウチナーグチの記事などをプリントアウトしてお持ちしました。
(ちなみに儀間先生は携帯電話も持っていらっしゃいません。そういうものは持たない、インターネットのようなものもやらないと心に決められたそうです。高山がそれを聞いたら、きっと羨ましがります。)

「拝啓、儀間進先生」の記事に目を通された儀間さんは、「ずいぶん買いかぶられたなあ」と、照れたように笑っていらっしゃいました。
また、沖縄のお年寄りのことを、何と呼べばいいのかについて、比嘉光龍(ばいろん)さんに質問してお答えを頂いた記事「光龍さんからの回答」を読んだ儀間先生、いわく「こんなこと聞かれたら僕は困っちゃうなあ」。

沖縄のお年寄りを「オジイ」とか「オバア」とか、近頃のネットやテレビ、ガイドブックなどでは、みんな普通にそう呼んでいます。でも、これはウチナーグチではありません。いわゆるウチナーヤマトグチです。光龍さんの論を借りれば、ウチナーヤマトグチは一種のスラング、正式の場で使われる言葉ではないということになります。
(ウチナーグチとウチナーヤマトグチの違いについても、いずれきちんと高山正樹がお話しするはずです。)
最近、沖縄の市場などで、初対面のお店のおばあさんに、気易く「オバア」と声をかけるような観光客もいるのだとか、さすがにそれは失礼ですよねえ。

ウチナーグチで「おじいさん」「おばあさん」と言う場合、士族と平民で言い方が違います。おじいさんについては光龍さんの記事にも書きましたが、士族が「たんめー」、平民が「うすめー」です。おばあさんは士族が「ぅんめー」で、平民が「はーめー」。ちなみに士族でも一番上の王族では「はんじゃんしーめー」と言います。
(※今回「ぅんめー」の表記は、光龍さんがインターネット等で使われているものに従いました。)
もちろん、今の沖縄に、琉球王朝時代の階級制度があるわけではありませんが、ご自分の家系がどういうものか意識している方もたくさんがいらっしゃるようです。光龍さんは、できることならばまず相手の方がどう呼ばれたいかを確かめるのがいいとおっしゃいます。
また、沖縄語を話す会の國吉さんは、「たんめー」、「ぅんめー」でいいのではないかというご意見でした。

おじいさんやおばあさんの呼び方ばかりではありません。沖縄語の敬語は、相手がどういう身分・立場かを把握して、厳密に使い分けられなければなりません。言葉によっては発音も違います。士族だけが使う音韻さえあるのです。(これもそのうち高山正樹がお伝えします。)

儀間さんから興味深いお話しを伺いました。王朝ともっともゆかりのある首里のはなしです。
敬語の使い分けは、特に平民が敏感。自分の身分に不相応な敬語で話しかけられるとザワザワと鳥肌が立って、じんましんが出る人もいる。(これは儀間さんのユーモアでしょうか。)
上流階級の人は少々のことは気にしない。特に王族ぐらいに高い身分になると、どんな言葉にでもニコニコと受け答えらされる方が多いのだとか。
ところが、士族でも中流階級ということになると、自分のステータスを守らなければならないから言葉にうるさい。士族に対する礼を失した言葉には見むきもしないという人もいる。
「“たんめー”に向かって“うすめー”といったらつむじ曲げますからねえ」
儀間さんは、こういうことが完全になくなるのには、あと100年かかりますとおっしゃいました。

「ジジイやババアではまずいけれども、僕はオジイやオバアでいいと思うのだけれどねえ」
儀間さんはそうおっしゃって、私たちの大好きな笑顔を浮かべられたのでした。

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おい、立ち話かよ……
(宇夫方路の報告を元に、高山正樹が宇夫方路のフリして書きました。)