金城さんの沖縄料理を食べる会
“喜多見で沖縄語を話す会”の忘年会 の日です。
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なんてったって主役は金城さんが作った料理です。
まずはてびち。野菜はレタス。これが旨い!
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注:「てびち」については、本記事の後ろをお読みください。

ミミガー(左下)とターンムディンガク(田芋田楽)
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定番のラフテー。
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元々は沖縄の保存食でした。えっ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、煮込んで煮込んで溶け出したラードがミソ。
その秘密をお知りになりたければ、古波蔵保好・著「料理沖縄物語」がお勧めです。
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そしてお待ちかねソーキそば。
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全て金城さんが、沖縄から直接食材を取り寄せて、3日前からたっぷり時間をかけて作ってくださったものです。
あ、サーターアンダギーが山盛りだ。これも金城さんの手作り。
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旨いものは、人を幸せにしますなあ。

今日、初めてお会いした方々も多く、皆さんに自己紹介をしていただきました。
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(※どぅたっちでお会いした日高さんの自己紹介。ASAのジャケット着ている方は比嘉くん。若そうに見えますが、奥様とお子様を沖縄に残して、東京の新聞販売所で働いていらっしゃいます。今日は夕刊の配達を終えて駆けつけてくれました。比嘉さんのお母様は読谷で織物をしていらっしゃるのだそうです。こんど詳しいことを聞いてみよう。)

TOMIHUSAさんは今の沖縄が抱える現実をお話くださいました。
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間近を轟音をあげて飛びヘリ。これが島の実態です。
(※画像提供TOMIHUSAさん)

そして、船津好明さんが、こんな琉歌を詠んでくださいました。

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沖縄は遠いが、沖縄語を習いながら、喜多見で歌と踊りを楽しみましょう。

船津先生御自身が考案された新沖縄文字が使われています。
例えば「うちなー」など、本来なら伸ばす単語を、琉歌のサンパチロク(八八八六というリズム)を崩さないために、「うちな」と詠んでいらっしゃいます。そうか、一音一文字の沖縄文字は、この沖縄特有の調子を理解するためにも、大変有効なのだということが分かりました。これは沖縄の古典芸能に関わっている方々に対して、大きな「売り」だということにあらためて気がついた。また一つ、先生に教わりました。感謝です。

さあ、新生沖縄語を話す会の第一歩を祝って、「歌とぅうどぅい」の宴の始まりです。
始まりはやっぱり「かぎやで風」から。
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「かぎやで風」と書いて「かじゃでぃふう」と読む・・・、これについて、興味深い新聞記事を見つけました。次回の沖縄語を話す会で、ご披露したいと思います。少々お待ちを。

大崎の忘年会でも歌ってくれた西武門(にしんじょう)もみ子さんが、今日も大活躍です。
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先日の沖縄の旅で、通りがかったバス停、もみ子さんを思い出してちょっと写してきました。
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注:「西武門」についても、本記事の後ろをお読みくださいませ。

最後に残った若者(?)で記念撮影。
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次回は来年1月の18日です。皆様、お待ちしてまーす。

そして、金城さん! ほんとうにご馳走様でした!!



※【足てぃびち】
「てびち」について。正確には「てびち」ではなく「てぃびち」です。さらには「あし(足)てぃびち」というのがフルネーム。
さて、沖縄では豚足のことを「てぃびち」という、みたいなことになっていますが、ということは「あしてぃびち」って「足豚足」ということになっちゃいませんか? 短足が短いみたいな。きっと「てびち」には別の意味がありそうです。

例えば『沖縄美味(うまい)のナ・ン・ダ!?』という文庫本の「豚肉」の項には、「テビチ(足から先)はじっくり煮込んでおでんや汁物になる」と書いてあります。
また渡口初美さんという有名な沖縄料理研究家の書かれた琉球料理のレシピ本にも、「足てぃびち」の材料として「豚足(てぃびち)」とあります。
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“Bar土”の常連、仲村清司氏の著書「沖縄うまいもん図鑑」でも「焼きテビチ」なんてものが出てくる。
つまり、もう「テビチ」は豚足と決まってるみたいです。


さらに、この「沖縄うまいもん図鑑」の巻末に掲載されている「人生はチマグーだ!」という仲村氏と玉城良子さんの対談の中で、玉城さんはこう言っています。
「豚足も部位によって名前があって、上のほうがテビチ。で、膝(ひざ)から下、足先までがチマグー。(中略)お年寄りはね、『テビチ食べよう』とはいわない。うちの父なんかは、『今日はチマグー、炊いてちょうだい』っていってました。」
あれれ、さらなる疑問。これじゃあ、前述の『沖縄美味(うまい)のナ・ン・ダ!?』とは逆じゃないですか?

「クガニゼーク」と「カンゼーク」で苦労しているので、またこんなことで頭を悩ましたくはないのですが、やっぱりちょいと一から調べてみることにしましょう。
(沖縄にはこういうことが多すぎる・・)

『沖縄語辞典』
(昭和30年代の首里言葉の聞き取りによって編纂)
tibici:料理名。普通?utibiciという。
?utibici:お祝いの時作る料理の名。肉・豆腐・大根・昆布などを醤油味で煮込んだもの。材料の切り方によって?uunii(大きく切ったもの)、kuunii(小さく切ったもの)、sikamuduci(さらに小さく、さいの目に切ったもの)の三種がある。
※[?]は声門破裂音(Glottal_stop)を表す記号の代用で、正しくはクエスチョンマークではありません。そのことについては下記記事に少し書いてありますのでお読みください。
“「豚」の「わー」は声門破裂音です!”


『沖縄大百科事典』
足ティビチ:代表的な琉球料理の一つ。豚の足(チマグー)をぶつ切りにして、昆布・大根といっしょに煮込んだ汁物である。(中略)昔から老人食としても珍重されている。

Wikipediaを信用する気にはならないのですが、一応「豚足」の項も覗いてみましょう。
豚足は、日本料理ではあまり馴染みのない食材だが、沖縄では足てびち(単にてびち、てぃびち)ともと呼ばれ、煮付けやおでんの具などとして日常的に消費されている。
てびちとは「手引き」の転訛とされ、煮付け料理を意味する琉球方言である。本来は豚足そのものを指す言葉ではないが、この種の料理に豚の足が多用されたためか、現在は沖縄でも一般に「てびち=豚足」として認識されている。豚の足先部分(蹄)を意味する琉球語は「ちまぐー」であるため、いわゆる豚足の部分を「ちまぐー」、脛(すね)の部分を輪切りにしたものを「てびち」と呼び分ける例もみられる。


「手引き」と「煮付け料理」の関連がこの説明ではさっぱり分かりませんが、それは今回のテーマではないので不問にすることとして、それ以外はなるほどと思わせます。でも「テビチ」と「チマグー」の境界はどこなんだろう。Wikipediaでは脛(すね)は「テビチ」だが、玉城さんによると脛は「チマグー」だってことになる。

推察するに、どうやら「ティビチ」という言葉の使われ方が違ってきたということがことの発端ではないのでしょうか。玉城良子さんのお話も、よく考えてみると、玉城さんのお父様が「テビチ」とは言わずに「チマグー」とおっしゃったのは、部位の問題ではなく、単に「豚足」を食べたいという意味だったのではないでしょうか。

言葉は変化するものです。「てびち」の意味もその一つ、目くじら立てることではないとおっしゃる方もあるでしょう。でも僕は、やっぱりこれは言葉の乱れだと思えてならないのです。かつて、お年寄りの言葉(ウチナーグチ)にもっともっと耳を傾けていたら、言葉は「正しく」残されたのではないか。それをさせなかったのは、あの悪しき「方言札」の所為であったということを思えば、例えば「ティビチ」の「正しい意味」を、もう一度問い直してみるということも、必要なことだと思うのです。如何?

※【西武門(にしんじょー)】
『沖縄大百科事典』によると、西武門(にしんじょう)とは北門の意味で、久米村にあったらしい東西南北の四つの門のひとつ。そして西武門は、ちょうど辻(遊郭)の入口にあたっていた。琉球民謡の“西武門節”は、この西武門で、客と遊女が名残を惜しんで掛け合いで歌った歌である。
ああ、もみ子さんの歌う“西武門節”が聞きたくなった・・・

というわけで、「金城さんの沖縄料理を食べる会」を、定例会にしたいと思っているのですが、いかがでしょうか・・・