名称:“川崎・しんゆり芸術祭2010「アルテリッカ」しんゆり”
    山猫合奏団「セロ弾きのゴーシュ」
日時:2010年5月4日(火・祝)午前11時開演
場所:昭和音楽大学北校舎第1スタジオ
料金:大人2,800円 
※全席指定
 ⇒川崎・しんゆり芸術祭2010 アルテリッカしんゆり 公式HP
 ⇒公式ホ-ムページの山猫合奏団のページ
 ⇒“「アルテリッカ」しんゆり”のブログ

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(この日、ご来場くださったあるお客様から届いた画像です。)

《Cast》
山猫合奏団(白石准&大島純&楠定憲&高山正樹)
《Stuff》
照明:坂本義美(龍前正夫舞台照明研究所)
音響:阿部真心(まみ)

【第一部】
ギャスパール・カサド作曲 「親愛の言葉」
Cello:大島純
Piano:白石准

アンドレ・カプレ作曲 「ラ・フォンテーヌの三つの寓話」
  1.カラスと狐 2.蝉と蟻 3.狼と子羊
 ※本記事後ろに注釈あり
Piano:白石准
語り:楠定憲&高山正樹

アストル・ピアソラ作曲 「ル・グラン・タンゴ」
Cello:大島純
Piano:白石准

【第二部】
口上:高山正樹(宮澤賢治作曲「星めぐりの歌」)

白石准作曲「セロ弾きのゴーシュ」(宮澤賢治)
Cello:大島純
Piano:白石准
語り:楠定憲&高山正樹

皆様、ご来場ありがとうございました。
是非コメントをお寄せください。
公演の詳細等は、追って追記いたします。

【“ラ・フォンテーヌによる三つ寓話” の試みに対する注釈】
(※プログラムの文章を若干書き変えました。)

この曲は、本来は歌曲として書かれたものですが、この日はピアノのパートはそのままに、歌のメロディー部分を言葉に置き換えてみるという試みを聴いていただきました。

幼い頃の白石准は、プロコフィエフの「ピーターと狼」やストラヴィンスキーの「兵士の物語」など、ナレーション付きの音楽作品を、作曲家である父親からあてがわれました。その中にはFMラジオを録音したサン・サーンスの「動物の謝肉祭」に面白い言葉がちりばめられた演奏などもあり、それらを好んで頻繁に聞いていました。

後に歌曲の世界をも知ることになって、古今東西の西洋音楽の作曲家が、言葉に対して多彩な音楽的アプローチをしているということ、言葉が表す具体性を音楽が包むことによって、その魅力が増加していることに、白石は興味を持ちました。

結果、ピアノの独奏曲より歌曲やソナタの伴奏の方が好きという、おかしなピアニストがここに生まれたのです。(※半ばジョークです。誤解なきよう。)
歌も様々ですが、例えば美しいメロディーでありながらすぐに覚えられるような物でもなく、どちらかというと邦楽の三味線や琵琶に合わせて語られるような、「歌う」というより「喋る」に近い作品というものも存在します。「ラ・フォンテーヌによる三つ寓話」は、そのひとつではないでしょうか。

「ラ・フォンテーヌによる三つ寓話」という曲は、その原作となった物語は有名ですが、演奏されることは実に稀です。たとえ演奏会で取り上げられたとしても、詩の言葉は案内プログラムに印刷される程度で、お客さんは詩の意味を演奏から直接受け取ることができず、歌声とメロディーだけを楽しむことで満足させられるこになります。これは日本における外国語の歌曲のコンサート全般においていえることです。でも本当は、歌を聴きながら同時に詩の内容が伝わってくるに越したことはないはずです。

さらに、カラスが咥えていたチーズが地面に落ちる音や、うだるような暑さのなか蟻がよたよたと歩いて行く音、気持ちよさそうに蝉が歌っている空気感、狼のうなり声、子羊が清流のなかで水を飲む音などなど、それらは歌詞にではなく、ピアノの音の中に書いてあるのに、フランス語を聞き取れる人がほとんどいない日本では、ピアノの音を「歌を盛り上げる伴奏」としか聞いてもらえないのです。ピアノの音が、具体性を持った効果音として伝わらない。

そうしたことに、白石准はいらだちを感じていました。 そこで、今回、実験的な試みをしてみようということになりました。
音楽が語りを補足するのではなく、語りもまた音楽を説明している。そしてまた、具体性と情緒性を、言葉と音楽が同等に受け持っている。(これは白石准の処女作“どんぐりと山猫”に相通じる要素です。)そのことを、フランス語の歌を語りに置き換えることによって理解していただこうという実験です。

そして、本日は時間の都合上実現できませんでしたが、いつの日か、「ラ・フォンテーヌによる三つ寓話」を、オリジナルである歌とピアノの演奏で聴いて頂きたいと願っています。その時こそ、歌い手が二人の登場人物と語りを歌い分け、ピアノが合いの手で効果音を演じているということを、十分に味わっていただけるだろう、今日のこのプログラムは、いわばその準備であったと、勝手に私たちは思っているのです。

白石准による注釈の注釈あり
  ⇒http://juninho.blog…