2009年08月08日
“セロ弾きのゴーシュ”は、不思議なミステリーに満ちています。どうやらそれは、ゴーシュが宮澤賢治の分身だということに原因があるみたい。
その賢治(=ゴーシュ)を、来月、僕は演じます。
声優の藤井つとむさんからお借りしたチェロですが、ちょっと直さなければいけないところがあって、大島純氏に紹介してもらった久泉清之さんの工房へ伺いました。

「職人さんだから気難しいかも…」と大島君。さらに、宮澤賢治愛用のチェロをメンテナンスした方らしいという情報まで。ちょっと緊張して呼び鈴を鳴らしたのですが、ところがどっこい、ドアを開けて顔を出した久泉さんは、とても穏やかで気さくな方でした。
宮澤賢治は、1926年(大正15年)にチェロを購入しています。スズキ製のチェロの最高級品で、大正15年当時170円だったらしい。賢治は120円で買ったということですから、中古だったのかもしれません。いずれにしても、今のお金にして百万円を軽く越える買い物であったようです。
常に農民と共にありたいと願っていた賢治ですが、賢治の恵まれた境遇は、岩手の農民たちとは、やはりかけ離れていたというべきでしょう。賢治の作っていた野菜はトマトやキャベジ。当時としては、まだまだ珍しい贅沢な西洋野菜でした。
しかし、だからこそ賢治は、深く悩み、身を捨てて農民の中に飛び込んでいこうとしたのだと思うのです。
賢治のチェロのことを、思い切って久泉清之さんに聞いてみました。
賢治生誕100年記念のコンサートのため、それまではガラス細工を扱うようにして、花巻の賢治記念館に飾られたあった門外不出の賢治のチェロが使われることになりました。そこで1995年の12月、久泉さんに修復の依頼がきたのだそうです。
賢治のチェロは丹精込めて作られたもので、大正時代、国産としてはこれ以上ない精一杯のいい楽器だったと教えてくださいました。
「でも、どんないい楽器でも、鳴らしてあげなければ死にます。」
一方、この日、僕が持ち込んだチェロは、お借りしていながら失礼な話ですが、左程に値段の高い楽器というわけではありません。しかし久泉さんにとっては、そんなことは全く関係ないことのようでした。この楽器も、使い込んであげればいくらでもいい楽器になる、そうおっしゃる久泉さんは、どんな楽器もみんな同じように愛しんでいらっしゃるのだとお見受けしました。

こんな素敵な方に調整してもらえるなんて、君も幸せだね。後は、僕がしっかり鳴らしてあげるだけ、うーん、頑張んなきゃなあ。
そしてさらに、久泉さんは、どうぞブログに載せても結構ですよと、こんな写真を貸してくださったのです。

賢治のチェロの、S字の穴です。
そこから覗くと、「Masakichi,Suzuki」のラベルの上に、青色の絵の具で書かれた賢治のサイン。
1926、K.M.
実はこれ、今度の芝居の台詞にもあるのです。

もう、びっくりです。
ところが、びっくりすることは、これだけじゃなかった!
でも、それは、次回のおはなし……
その賢治(=ゴーシュ)を、来月、僕は演じます。
声優の藤井つとむさんからお借りしたチェロですが、ちょっと直さなければいけないところがあって、大島純氏に紹介してもらった久泉清之さんの工房へ伺いました。
「職人さんだから気難しいかも…」と大島君。さらに、宮澤賢治愛用のチェロをメンテナンスした方らしいという情報まで。ちょっと緊張して呼び鈴を鳴らしたのですが、ところがどっこい、ドアを開けて顔を出した久泉さんは、とても穏やかで気さくな方でした。
宮澤賢治は、1926年(大正15年)にチェロを購入しています。スズキ製のチェロの最高級品で、大正15年当時170円だったらしい。賢治は120円で買ったということですから、中古だったのかもしれません。いずれにしても、今のお金にして百万円を軽く越える買い物であったようです。
常に農民と共にありたいと願っていた賢治ですが、賢治の恵まれた境遇は、岩手の農民たちとは、やはりかけ離れていたというべきでしょう。賢治の作っていた野菜はトマトやキャベジ。当時としては、まだまだ珍しい贅沢な西洋野菜でした。
しかし、だからこそ賢治は、深く悩み、身を捨てて農民の中に飛び込んでいこうとしたのだと思うのです。
賢治のチェロのことを、思い切って久泉清之さんに聞いてみました。
賢治生誕100年記念のコンサートのため、それまではガラス細工を扱うようにして、花巻の賢治記念館に飾られたあった門外不出の賢治のチェロが使われることになりました。そこで1995年の12月、久泉さんに修復の依頼がきたのだそうです。
賢治のチェロは丹精込めて作られたもので、大正時代、国産としてはこれ以上ない精一杯のいい楽器だったと教えてくださいました。
「でも、どんないい楽器でも、鳴らしてあげなければ死にます。」
一方、この日、僕が持ち込んだチェロは、お借りしていながら失礼な話ですが、左程に値段の高い楽器というわけではありません。しかし久泉さんにとっては、そんなことは全く関係ないことのようでした。この楽器も、使い込んであげればいくらでもいい楽器になる、そうおっしゃる久泉さんは、どんな楽器もみんな同じように愛しんでいらっしゃるのだとお見受けしました。
こんな素敵な方に調整してもらえるなんて、君も幸せだね。後は、僕がしっかり鳴らしてあげるだけ、うーん、頑張んなきゃなあ。
そしてさらに、久泉さんは、どうぞブログに載せても結構ですよと、こんな写真を貸してくださったのです。

賢治のチェロの、S字の穴です。
そこから覗くと、「Masakichi,Suzuki」のラベルの上に、青色の絵の具で書かれた賢治のサイン。
1926、K.M.
実はこれ、今度の芝居の台詞にもあるのです。
もう、びっくりです。
ところが、びっくりすることは、これだけじゃなかった!
でも、それは、次回のおはなし……
(本日の担当:高山正樹)




白石准 さんのコメントです。