嫌いな人間はいないのかと問うたら、怒っている人が嫌いとあの子は答えた。
怒っている時のあなたが嫌いとあの子は言った。
親が嫌いとあの子は言って、離れれば、きっと好きになれると家を出た。

嫌いな人がいるということの悲しさを、あなたは知っているのでしょうか…

「ああいう人間が嫌いなのだ」と、そんなふうに言ってしまえる人たちは、人を嫌いになるということの、その本当の悲しさを、少しもわかっていないのだと、そうあの子に教えられたのだ。

どこかに隠れて息を潜めたのは誰だろう。