その宿屋の女将はどういうわけか妊婦で、二階の物干し台にどっかと立って、「富士山が見えますよ」と何度も大声で繰り返している。妙な客寄せだなと、帰宅途中の僕は懐かしい路地の隅からその光景を眺めている。
帰る家はもうすぐそこだ。玄関を入って戸を閉めると、外で若い男の声がする。妊娠している女将の弟か、お腹の子供の父親か、僕はその男に首を絞められている…… 

フェリーに揺られ、いやな夢を見た。これも頭痛のせいなのか。
朝8時20分、船は小倉に着く。船を下りて、そしてすぐに鹿児島へ向かう。