言葉……。
ほろ酔いの僕は考えている。言葉……、僕はそれを未来に開かれたコミュニケーションと呼ぼう。
言葉に対する不信が必然だとしても、人間は言葉に替わる手段を持たない。肉体によるコミュニケーションは閉ざされている。それは、今この時に見つめ合う〈あなた〉と〈わたし〉の、刹那のコミュニケーションに過ぎぬ……。舌足らずだな、と、ほろ酔いの僕は、半眼で考えている。

ままよ……。肉体は未来に対して閉ざされている。肉体が未来を語ることはない。未来に開かれたコミュニケーションの手段は言葉以外にはない……。
今が言葉に対する不信の時代なら、今こそ言葉を問い直す。言葉から逸脱することなく問い直す。言葉を言葉によって問い直す。確かに、君の好きな肉体は嘘を語らない。一方言葉は嘘に塗れている。その〈嘘〉を理由に言葉から離れていった君たち。僕は君たちに言おう。未来を語るということは、まさに〈嘘〉を語ることだ。現実には未だ存在しないことを語ることなのだ。

僕は、言葉にこだわっているのではない、未来にこだわっているのだ、と、ほろ酔いの僕は、目を閉じて考えている。