「いってきます!」

「いってらっしゃい」と言った時にはもういなかった。窓の外をのぞけば、一目散に走っていくあいつが見える。
肩から半分ズレ下がって引きずりそうな黄色いカバンと、アゴ紐のおかげでかろうじて首にぶらさがっている紺色のベレー帽。
幼稚園は楽しいかと聞けば、楽しいと答える。本当かな、とちょっと気に掛かる。楽しくないと言えば、親が心配するということを、あいつはもう知っているのかもしれないと思う。

もう4歳か。

早いものだと思う。あまりにも。