60年安保を知らぬことに負目を持ち、マルクスの幻想を追い、誰かが幸福になれば、その分だけどこかで誰かが不幸になることを、何故か信じて疑わなかった。だからみんなが少しづつ不幸になればいいと思っていた。

別役実の「赤色エレジー」。

「アラカワの不幸は、バイキンみたいに、次第に周囲に広がってゆくんだ」
なんとグロテスクな闘争ではないか。「アラカワ」は首を吊って自殺するのである。

太宰治の「おさん」……
「革命は、ひとが楽に生きるために行うものです。悲壮な顔の革命家を、私は信用いたしません」