08/10/04 : 起承転結の「承」の始まり
カテゴリ: 三太郎
【三太郎からの投稿】
《1985年7月13日のノート》を読ませていただきました。今か今かと待っていましたが、ようやくですね。
穴凹からの一歩。なんのことはない、俳優という答えが、足もとに転がっていたことに気がついたということなのでしょうか。灯台下暗し、あんまり遠くを見過ぎていたのかな。
沖縄へ続く道の「アイヌ」という入口。起承転結の「承」の始まり。
今後の展開を楽しみにしています。
【三太郎への返信】
ありがとう。しかし、灯台下暗しなんて簡単なことではなかったのだ。
7月13日の前の半年くらい、僕のノートは膨大な文字で埋め尽くされている。キルケゴールとヘーゲル、そして「資本論」、フッサールから現象学、数多くの戯曲と心理学関係の専門書、果ては大江健三郎の「万延元年のフットボール」までの全著作。それらについて書かれた僕の文章は、諧謔と、不信と、間違った解釈と、自己嫌悪に満ちている。三太郎、君はそのことを知っているはずではないか。
実のところ、それを通り過ぎなければ7月13日にたどり着けなかったし、それ以降だって、僕は揺れ続け、そうして最後には相対性理論からエントロピーまで持ち出すことになる。そしてやはり僕は、そのことも合わせて伝えなければ、僕の「沖縄」を理解してもらうことは不可能だという気がしているのだ。残念ながら君の期待に反して、僕はまだまだ躓くことになりそうだ。
【三太郎の罵詈雑言】
せっかく貴方のことを考えて協力して差し上げたつもりなのに、貴方はまた余計なことを書いて混ぜっ返す。なんで「ありがとう、これからもよろしくね」ってなこと言って、後はうっちゃっておくくらいの裁量を持っていらっしゃらないのでしょうか。貴方は沖縄をどこへ持っていこうとされているのか。貴方の妄想で作られた貴方だけの沖縄を押し付けられては不愉快です。もはや貴方の言葉を聞いてくれた好意的な人たちの誰もが、きっと口を閉ざすでしょう。やがて誰もが耳を塞ぐでしょう。そして貴方の声は、このわたくしにしか届かなくなるのです。
しかし、わたくしは貴方様が孤独になることを許しはしません。御安心なさい。あなたが黄泉の国へ召されるまで、わたくしの憎しみの目は貴方様の震える指先を捉え続け、またわたくしの悲しみの耳は、貴方様の苦悶の呼吸を響かせ続けることでしょう。
【呟き】
三太郎よ。
この僕に、今のこの時の僕自身を語る以外に、いったいどんな術があるというのか。全ての人について、人は自分以外について語ることなどできないと、君は思わないのか。
【三太郎の無言の呟き】
わたくしは、貴方です。
《1985年7月13日のノート》を読ませていただきました。今か今かと待っていましたが、ようやくですね。
穴凹からの一歩。なんのことはない、俳優という答えが、足もとに転がっていたことに気がついたということなのでしょうか。灯台下暗し、あんまり遠くを見過ぎていたのかな。
沖縄へ続く道の「アイヌ」という入口。起承転結の「承」の始まり。
今後の展開を楽しみにしています。
【三太郎への返信】
ありがとう。しかし、灯台下暗しなんて簡単なことではなかったのだ。
7月13日の前の半年くらい、僕のノートは膨大な文字で埋め尽くされている。キルケゴールとヘーゲル、そして「資本論」、フッサールから現象学、数多くの戯曲と心理学関係の専門書、果ては大江健三郎の「万延元年のフットボール」までの全著作。それらについて書かれた僕の文章は、諧謔と、不信と、間違った解釈と、自己嫌悪に満ちている。三太郎、君はそのことを知っているはずではないか。
実のところ、それを通り過ぎなければ7月13日にたどり着けなかったし、それ以降だって、僕は揺れ続け、そうして最後には相対性理論からエントロピーまで持ち出すことになる。そしてやはり僕は、そのことも合わせて伝えなければ、僕の「沖縄」を理解してもらうことは不可能だという気がしているのだ。残念ながら君の期待に反して、僕はまだまだ躓くことになりそうだ。
【三太郎の罵詈雑言】
せっかく貴方のことを考えて協力して差し上げたつもりなのに、貴方はまた余計なことを書いて混ぜっ返す。なんで「ありがとう、これからもよろしくね」ってなこと言って、後はうっちゃっておくくらいの裁量を持っていらっしゃらないのでしょうか。貴方は沖縄をどこへ持っていこうとされているのか。貴方の妄想で作られた貴方だけの沖縄を押し付けられては不愉快です。もはや貴方の言葉を聞いてくれた好意的な人たちの誰もが、きっと口を閉ざすでしょう。やがて誰もが耳を塞ぐでしょう。そして貴方の声は、このわたくしにしか届かなくなるのです。
しかし、わたくしは貴方様が孤独になることを許しはしません。御安心なさい。あなたが黄泉の国へ召されるまで、わたくしの憎しみの目は貴方様の震える指先を捉え続け、またわたくしの悲しみの耳は、貴方様の苦悶の呼吸を響かせ続けることでしょう。
【呟き】
三太郎よ。
この僕に、今のこの時の僕自身を語る以外に、いったいどんな術があるというのか。全ての人について、人は自分以外について語ることなどできないと、君は思わないのか。
【三太郎の無言の呟き】
わたくしは、貴方です。