行き交いすれ違う獣たち。
分厚い化粧。色とりどりの髪。タトゥーとピアスの穴で傷つけられた肉体。
まるで、みんな宇宙人だ。

けれど、故郷を忘れようとしたこの俺は、きっとこの街が、どうしようもなく好きだったのだ。

俺は、朝の来ない歩道橋の上から、漆黒の奈落に向かって聞いてみた。
「母さん、僕はあなたを殺していいですか」
体の中に流れる祖先の記憶という薄汚い血を、俺は憎み蔑んでいた。

そして、女たちと、スラングだけで語り合ったのだ。

どこかの星の夜は、いつもたった一夜の出来事だった。
そして俺は、毎夜毎夜、母を殺し続けたのである。

半年後の俺にとって、母を殺した記憶だけが、ひどく懐かしい。