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8月 2日土曜日: 《頭痛日記》の予告

カテゴリ: 沖縄の、こと
事務所には出向かず、自宅にてカクテル・パーティーの原稿書き。
黙って「お前」の告訴の決断を受け入れた娘について、ずっと考えている。
「沖縄の女性」が表すもの・・・

公開予告!
三太郎に言われるまでもなく、いい加減に原罪意識のらっきょの皮むきから脱却して次の章に進まないと、誰からも見向きされなくなる。埋め草に使っている《過去のノート》だが、ぼちぼち外界と交信を始めた頃のノートへ移行しよう。
《過去のノート》から《頭痛日記》へ。
要するに、外界とは、まず自らの肉体でしかなかったという表現。
相変わらずちっとも売れそうもないが、手順を踏まないと気が済まないのだから性質が悪い。
ともかく、まずは頭痛を乗り越える必要があったのだ。「沖縄」を語り始める前に。
本当は、要するに、《過去のノート》にちょっと飽きてきたということ。

《過去のノート》から《頭痛日記》の間には2年の歳月がある。改めてその間の文章を読み返してみると、自分で言うのもなんだが、ますますややこしい。なんとも公開するのがめんどくさそう。だから《頭痛日記》でお茶を濁そうと考えたのが、しかし《頭痛日記》だけでは埋め草にはだいぶん足りないので、そのややこしい2年間の《過去のノート》も、それはそれでぼちぼち公開するしかないかしらんと、憂鬱になっている。こんなブログらしきものなんかやめてしまえば簡単なのだが、そうもいかない。
まあ、最初からコピペして後は知らん顔と決めていたのだから、初志貫徹。お客さんが増えませんように、ていうか、増えないよなあ、こんなんじゃ。


カテゴリ: 《過去のノート》
船底部屋の小さな丸窓の外はもう暗い。仄かに浮かぶ工場の影が動き始めたところを見ると、どうやら小倉へ向かうフェリーも、近頃あの新しい病気で話題の神戸の港を出航したらしい。相変わらず頭痛がするから、寝てしまえばいいのだけれど、それほどつらくはないし、何かに追い立てられているようで、時間がもったいないような気もして、それで稲垣足穂を読み出した。この軽さが丁度良い。
 
今や問題は性ではなく暴力だ、とインポテンツの僕は考えた。足穂の文庫本を脇へ置いて、僕は連想ゲームを始めたのだ……

《稲垣足穂に対する反ニーチェ的反応》
カラフルなイルミネーションで飾られた夜の神戸の繁華街を青白く照らす月。その月が沈んで、太陽が月に替って朝になれば、そこは実は生ゴミの山。事務所の中では頬に傷のあるそのスジの男たちが金勘定しているのだ。結局問題は、月が本当は三角形であって、その三角形の月が非常な高速で回っているからこそ、月は丸く見えるのだという事にあるらしい。○が△を隠している。もはやわかりきったことだが、つまり性の実体は暴力であるということなのである。だがしかし、踊り子のバタフライは三角形ではないか。そうか、今や○(見かけの月=性)が△(真実の月=暴力)を隠すのではなく、△(暴力)が、あるいは▼(バタフライ=暗黒の暴力)が○(性)を隠すのだ。バタフライは生ゴミを覆うイルミネーション、そしてそれは、売春宿に行けずにストリップ小屋に通う哀れな不能者たちの象徴なのだ。タルホ氏の教えによると、こうした事を研究するのは、物理学者以外には適任者はないのである。そういう訳だから、この頭痛の原因がたとえ煙草だとしても、僕は物理学者として、どうしても煙草を止める訳にはいかないのである。

何故日本初の患者がこの神戸から現れたのか、なるほどそういう事であったか。つまり……

1)現代のペストを恐れてインポテンツとなった男たちは、売春宿から遠ざかりストリップへと走る。
2)バタフライは三角形である。
3)月が三角形である事を発見したのはイナガキ・タルホである。

これだけ資料があれば答えを出すのも簡単である。つまり、〈稲垣足穂=INAGAKI・TARUHO〉の化身たる〈大浦近蟹=OHURA・TIKAGANI〉は、何を隠そう神戸産の蟹なのである。これこそ物理学者としての、僕の最初にして最大の発見である。

今夜、大浦近蟹の生息するという静かな瀬戸内海の上でみる夢は、タルホ氏の言うように、本当にいつもと違うのだろうか……、ほんとうに。




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